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塩沢の歴史を感じる、はっか糖

アオキ菓子店

アオキ菓子店

南魚沼市、塩沢名産のはっか糖。爽やかな清涼感で今も昔も人々を癒しています。「ミント」としてなじみのある薄荷。その歴史は古く、戦国時代、上杉謙信公が滞在した折、住民より薄荷を献上され愛用したとの伝説があります。江戸時代には薄荷草を栽培、結晶の精製に雪や寒さといった冬の気候を利用し薬として販売されていました。塩沢のものは質が高く、三国街道沿いの名物となっていたそうです。この薄荷をお菓子に使用したものが「はっか糖」です。ここの地形は盆地で夏は蒸し暑く、ある時、作っていた飴が湿気で砂糖に戻ってしまったが、塩沢の薄荷で香りづけをしたのが始まりだろうといわれています。

「青木のはっか糖」の材料は砂糖、水、水飴、薄荷の結晶である「薄荷脳」とシンプルですが、毎日の気候に出来が左右される為、職人の経験による技術によって支えられています。

まずは砂糖と水・水飴を煮詰めて飴をつくり、冷却盤で冷やします。手作業で折りたたみ、均一に冷やしていきます。適温で薄荷脳を入れ、「絹引き」の作業に移ります。飴を引っ張り空気を含めると絹糸のような艶がでます。機械の次は素手で約65度の飴を引っ張ります。気温や湿度がはっか糖の口溶けに影響するといった繊細さを持っているため、飴の状態を手で確認しながら適切な状態に調整します。飴の塊を細長い棒状に形成し、指で均一にはじき割ります。同じ大きさにテンポよく割っていくのは難しく、職人技の一つです。割る時に伝わる指先の感覚で飴の出来具合がわかるそうです。その後、薄荷飴は木箱に入れられゆっくり、じっくりと熱と湿気を与えられ飴から砂糖に戻る「かえし」を行います。これによって口溶けの良い「青木のはっか糖」となります。「かえし」の期間は気候によって調整し、春秋であれば3日ほど、冬では1週間ほどかかります。

はっか糖づくりは夏の蒸し暑さや冬の寒さなど、この地域の気候や特性を活かしながら続いています。塩沢のはっか糖はお店によって、特徴はさまざまです。固い飴状のものもあれば、薄荷の効きが強いお店もあります。青木では、純度の高い砂糖を使用することで雪のような白さ、サラサラとした口どけと優しい甘さ、はっかの効きも優しいのが特徴です。

時代の移ろいの中で薬からお菓子へと姿を変え、人々に愛されてきた塩沢の名産「薄荷」。三国街道の宿場町として栄えたこの地では、多くの旅人もまた、「塩沢の薄荷」で疲れを癒していたかもしれません。南魚沼にお越しの際は、はっか糖をお供に、この地域の歴史に思いをはせてみてはいかがでしょうか。

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観光情報

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名称 アオキ菓子店
住所 新潟県南魚沼市塩沢81
電話番号 025-782-0047
営業時間 9:00~18:00
定休日 不定休

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  • 1.塩沢の歴史を感じる、はっか糖 : アオキ菓子店
塩沢の歴史を感じる、はっか糖 : アオキ菓子店
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語り手:アオキ菓子店 代表取締役/青木則昭

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