南魚沼に春を告げる味
大崎菜
300年前から続く
伝統野菜・大崎菜
新潟には冬から春にかけて収穫される「とう菜」と呼ばれる野菜があります。「とう菜」とは、薹(とう)と呼ばれる花をつける茎を摘んで食べる青菜で、大崎菜もその一つです。冬場の野菜が不足する時節の貴重な栄養源として昔から重宝されており、その独特のほろ苦さと甘さは、南魚沼に春を告げる味と言われています。
大崎菜の始まり
大崎菜は、江戸時代に金沢にある大乗寺から伝わったと言い伝えられています。大乗寺は、加賀百万石で有名な前田家ゆかりの菩提寺で、その寺に遣わした者が同寺に程近い清水に恵まれた里で「雪菜」と呼ばれる青菜に目を止め、郷里の大崎でも栽培可能であると思い立ち、種子の分譲を懇願し、もらい受けたのが大崎菜の始まりだそうです。
湧き水に育まれた野菜
大崎菜は、八海山の麓の大崎字滝谷地内から滾々と湧き出る「滝谷の清水」に育まれています。この清水は、夏は冷たく、冬は温かく、その量も豊富で県下でも稀な湧き水と言われています。大崎菜は、それぞれの家で種を収穫し栽培していますが、その種を他所で栽培しても、風味がまったく異なってしまうことからも、この清水の恩恵による特産物と言えるでしょう。
一番薹、二番薹、三番薹
大崎菜の収穫は12月から始まります。まず中心の花をつける茎を取り、そのあと伸びてくる脇芽を収穫します。最初に収穫する花をつける茎を一番薹、次に収穫する脇芽を二番薹、最後に収穫する脇芽を三番薹と呼び、あとに収穫するほど苦みが少なく、甘みが強くなります。これは大崎菜が、厳寒期の寒さから細胞の凍結を防ぐため光合成によって生み出した糖とビタミンを蓄積させているからです。
雪の中で守り続けられる名菜
大崎菜のほとんどは露地栽培ではなく、ハウス栽培で育てています。ハウスの周りには「滝谷の清水」が流れ、雪が積もっても雪を解かしてくれますが、大雪になると解けきれずハウスが潰れてしまうため、夜中にかんじきを履いてハウスの周りの雪を踏んで消すような苦労もあります。しかしそれでも、江戸時代に栽培が始められた大崎菜は、地元の農家によってその伝統と味を守り続けてきました。ぜひ皆さんも南魚沼を訪れた際は、300年前の江戸時代に想いを馳せつつ、八海山の麓で栽培される大崎菜を堪能してみてください。
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観光情報
名称 | はらぜん商店 |
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住所 | 新潟県南魚沼市大崎3362 |
電話番号 | 025-779-2006 |
営業時間 | 9:00〜19:00 |
定休日 | 月1日(日曜日)不定休 |
駐車場 | 12台 |